鳩 2鳩 22006-06-16記 以前に鳩 という記事を書いた。 あとひとつ、鳩にまつわる体験がある。 次男が小学校の低学年のころ、学校が終わると自転車で迎えに行って、OT訓練、ST訓練に通っていた。 まだ次男を自転車の前カゴと私の間の空間に取り付ける椅子に座らせていたころだった。 雨が降っていたので、学校から訓練場所まで次男にはレインコートとレインハットを着せて、私もジャケットとズボンのカッパを着て駆けつけた。 OT訓練が終わって訓練場所の玄関を出るときれいな青空が広がっていた。 構内の植栽が雨に洗われてみずみずしく輝いていた。 空気までも洗われたように気持ちよく感じた。 次男とふたりで自転車置き場に行くと、私達の自転車の前カゴに鳩が一羽とまっているのが見えた。 鳩は私達の方を見ていた。 じ~~っと見ていた。 鳩という鳥は、いつもせわしなく首を動かしているように思っていたので意外な感じがした。 次男と私は普段通り自転車に向かって歩いた。 鳩はじ~~っと私達を見ている。 私達と鳩の距離がどんどん縮まっていく。 鳩はじ~~っと私達を見ている。 自転車の前カゴにとまった鳩と私達が向き合っている。 鳩は飛び去らない。 コレは、鳩ではない別の生き物なのだろうか 次男が鳩に手を伸ばした。 次男の手が鳩の体をなでている。 鳩はじ~~っと次男を見ている。 これは現実なのだろうか。 これは鳩の形をした別のなにかなのだろうか。 どれくらいの時間が経ったのだろう。 鳩はゆっくりと次男から視線をはずして大きくツバサを開いた。 そしておもむろに、飛び立った。 アレはなんだったのだろう。 鳩ではなかったように思う。 |